組織の意思決定は「なんとなく」決まる?
会社の方針やプロジェクトの進め方が、気づけば「なんとなく」決まっていた——そんな経験はないでしょうか。
もちろん、会社だけではなく部活や学校の班活動、家族会議でもよいです。
経営学の意思決定に関わる面白い理論のひとつに、ゴミ箱モデルがあります。
ゴミ箱モデルによれば、組織の意思決定は偶然に左右されやすく、参加者・問題・解決策・選択機会がたまたま出会った結果、生まれるとされています。

シミュレーションから分析する組織の意思決定
現在、研究テーマのひとつとして、このゴミ箱モデルを参考にシミュレーションモデルを開発し、バーチャルで組織の意思決定がどうなっているのか分析を行っています。
今回発表した論文では、小規模組織では問題が「見過ごされ」、大規模組織では「やり過ごし」が横行する実態が明らかになりました。また、優秀なリーダーほど手を広げすぎて失敗しやすく、階層的な組織構造も意思決定の遅れを招く要因となることもわかりました。
この研究から組織の停滞を防ぐには、「何を決めるか」「何を諦めるか」の判断が不可欠であり、意思決定のあり方を見直すことが、パフォーマンス向上の第一歩となるとの示唆を得られています。
ただし、あくまでシミュレーションの結果です。今後はWeb調査や実験を通じて現実の意思決定がどうなっているのか、またシミュレーションとどのようなギャップがあるのか分析を進める計画です。
詳細情報
研究の詳細は以下をぜひ参照ください。
一般向け記事:【記事】「なぜこんな決定になったのか?」—組織の“意思決定の迷宮”にハマらないために – とある経営系大学教員の頭の整理ブログ
研究論文:コスト・タイムパフォーマンス観点による組織的意思決定の分析:マルチエージェントシミュレーションを利用したActiveなゴミ箱モデルの開発